Japanische Klassiker mit Furigana
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みうらろうじんむかしばなし
三浦老人昔話
岡本 綺堂
Lesen Sie 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.637 Zeichen · 224 Bildschirme
芸事も色々ありますが、清元の浄瑠璃に凝り固まってしまったのだから些と困ります。なんでもその皮切りは、同役の人の下屋敷へ呼ばれて行ったときに、その酒宴の席上で清元の太夫と知合いになったのだと云いますが、その先代も赤坂あたりの常磐津の女師匠を囲いものにしていたとか云う噂がありますから、遊芸については幾らか下地があるというほどで無くとも、相当の趣味はあったのかも知れません。いずれにしても、その清元の師匠を自分の屋敷へよんでお稽古をはじめたのです。
おなじような理窟ですけれども、これが謡の稽古でもして、熊坂や船弁慶を唸るのならば格別の不思議もないのですが、清元の稽古本にむかっておかる勘平や権八小紫を歌うことになると、どうもそこが妙なことになります。と云って、これがひどく筋の悪いことゝ云うほどでもないので、奥様や用人も開き直って意見をするわけにも行かず、困った道楽だと苦々しく思いながらも、先ずそのまゝにして置くうちに、主人の道楽はいよ/\募って来て、もう一廉の太夫さん気取りになってしまったのです。
むかしから素人の芸事はあまり上達しないにきまったもので、俗に素人芸、旦那芸、殿様芸、大名芸などと云って、先ず上手でないのが当りまえのようになっているのですが、この小坂という人ばかりは例外で、好きこそ物の上手なりけりと云う