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Japanische Klassiker mit Furigana

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さぶろうじい

三郎爺

宮本 百合子

Lesen Sie 三郎爺 (さぶろうじい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.866 Zeichen · 50 Bildschirme

Aozora Bunko

哀願するには、あまり彼の骨は硬い。

彼は、おろおろする女房を励まして、荷を纏めるなり、五年以前引越して来たより、もっと簡単に、出て行ってしまった。

そして、村端れの小さい小屋に住むことになった。

もう畑もないしするので、下駄の歯入れや、羅宇(ラオ)のすげかえをして稼ぐほかない。先よりなお貧乏しなければならない。

そんなことは、彼にとって何でもないことであった。が、がまんのならないことが、一つある。

曲ったことは、爪垢ほどのことでも、自分にも人にも許さないこの俺が、「この俺が」下らない蛆虫(うじむし)共から穢らわしい者だと思われたと思うと、彼は歯が鳴るほど腹が立った。

十三

彼は、山沢さんのお墓の前へ跪ずいて、散々口惜し泣きをした。

のめのめと生恥をさらしていられないほど、口惜しかった。

昔の士は、自分の潔白のためには、命も捨てるものだったという、旦那様の言葉を思い出した彼は、即刻に或る決心をした。

彼は、男らしく旦那様の墓の前で、腹掻っさばいて、蛆虫等に、目に物見せてくれようと思ったのである。もちろんその心持の奥には、そうしたら、旦那様も、俺を見損なった奴だとは、お思いなさるまいという、可憐な心持もあったのである。