Japanische Klassiker mit Furigana
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うえのかいわい
上野界隈
久保田 万太郎
Lesen Sie 上野界隈 (うえのかいわい) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.435 Zeichen · 11 Bildschirme
というのがあとのもののト書である。そうしてまえのものは「丁度時候も十二月、年忘れの茶番をする気で、一狂言おれが書いた」とその後の幕ではッきりそう河内山のいっているのに徴して季節は冬である。従ってその幕明きの鳴物はありまえの「大拍子」だが、あとのものは梅の立木という指定のあるのに徴しても「今日は見世の者が宿入に出て、留守番の役に当つたが、十五日だから参詣すると天神様を出しに遣ひ、実は内々逢ひに来たのだ」と番頭佐吾兵衛のそういっているのに徴しても季節は春である、従って幕明きの鳴物は「鳥追通り神楽」である。
が、ついしてこう古い狂言では筋うりの序幕にしかつかってもらえなかったこの湯島天神も近年になってぐッとその相場をあげた。泉先生の『婦系図』のなかに「湯島の境内」という一ト幕が書下されたからである。『魚十』(といってしまっては曲がないが)からででもあろう、たまたま聞えて来る清元の「三千歳」をつかって早瀬主税とおつたとが義理のために哀しいわかれをする一段である。
お蔦 貴方……貴方。
早瀬 あゝ。(と驚いたやうに返事する)
お蔦 いゝ月だわね。
早瀬 然うかい。