Japanische Klassiker mit Furigana
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ふしぎなとり
不思議な鳥
小川 未明
Lesen Sie 不思議な鳥 (ふしぎなとり) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.797 Zeichen · 16 Bildschirme
目に見えぬうちに時間の経て行くのが何の訳なく気を焦立たした。
「出て見よう、家に居たってつまらん。」
こう思い決めると、何様困難があっても、吹雪を冒して外を歩いて見たい好奇心が矢の如く心を駆った。早速深く編み上げた藁靴を穿いて、雪で吹き閉された戸を開けて外へ出た。一陣大きな雪片が風に煽られて圃の方から走って来た、立っている自分の胸は忽ち白壁のように真白になった。ただ幸に大きな吹雪はこれ限りで後は少し晴間となった。空は飽迄灰色であった、三尺許上は灰色の厚い布で張詰られているような気がした。外へ出たが誰を探ねて見ようという考えは別になかった。この時、彼方の寺の栗林で鵯が沢山来て啼いているのが聞えた。で、早速家へ引返して二連発の猟銃を持って寺の林へ急いだ。
道は雪に埋って分らなかった。人の影を見ない。木立は雪を被て重げである。空濠も雪に埋っていた。私は、この大きな陰気な空濠を廻って寺の墓地に入った、杉の木からは絶えず雪が崩れて落ちた。その毎に身動きをしない、重苦しそうな枝の一部分だけが動いた。見渡すと五六寸ばかり頭の現われた墓石が其処、此処にある。鵯の止っている栗林は夕空に頭を揃えていて、一帯に空気が沈んで、寂寞としていて悲しそうな景色であった。