Japanische Klassiker mit Furigana
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ふしぎなとり
不思議な鳥
小川 未明
Lesen Sie 不思議な鳥 (ふしぎなとり) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.797 Zeichen · 16 Bildschirme
三
」
と、二人は別れた。
三
雪の上は一面に鈍い光を放って、空は次第に暗くなった。刻々に空は下へ下へと押え付けるような感じがした。彼方にも、此方にも雪を被った幽霊のような木立や、黒い悪魔のような森があった。私は、吉太に遇って、あの黒い鳥を見てから、暗い気持になった。
しかし、又何となく吉太が可哀そうな気持もした。
「あんな悪い児の鳥を貰っていいだろうか?」
と、いうような感もした。また、あの黒い鳥は常の鳥でない、あの鳥が来てから何か自分の家に不幸が起るようなことがあるまいかとも思った。
「そうだ、あの黒い鳥が来ると、家の者が病んで死ぬのでないか?」と、身が寒気を催した。
而してその黒い鳥は、今始めて見たのでない。何処かで一度見たことがあるような気持がした。怖しい処で見た、赤い色と灰色の混った処で見た……何処だろう? 考えると、私の目の前に、河水に臨んだ赤い煉瓦造の監獄の建物が浮んだ。河には雪や霙の固りが水に漂って流れて来る……晩方の景色だ。
「あの黒い鳥を監獄の中で見たようだ。」……雪の上に立止った。自分は生れてから監獄の中へ入って見たことがあろうか……一度でも行って見たことがあったろうか。