Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅうとめとよめについて
与謝野晶子評論集
与謝野 晶子
Lesen Sie 与謝野晶子評論集 (しゅうとめとよめについて) von 与謝野 晶子 (よさのあきこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.148 Zeichen · 31 Bildschirme
姑と嫁について
或会社の技師をしている工学士某氏の妻が自分に対する苛酷を極めた処置に堪えかねて姑を刺したという故殺未遂犯が近頃公判に附せられたので、その事件の真相が諸新聞に現れた。嫁が姑を刃傷したということは稀有な事件である。無教育な階級の婦人間においてさえ類例を見出しがたいことであるのに、工学士の妻として多少の教育もあり、女優として立とうと決心していたほど新代の芸術に対する渇仰もある婦人が、こういう惨事を引起すに至ったについては何か特別な理由がなくてはならない。私は諸新聞の態度が初めから一概に被告を憎んで掛らずに、力めて細かに事件の真実を伝えようとし、その結果『東京朝日』記者のように特に被告に対して同情のある報道をされたことを、被告と同じ女性の一人として感謝する者である。
新聞紙の伝うる所に由れば、姑という人は明治以前の思想をそのままに墨守して移ることを知らず、現代の教育を受けた若い嫁の心理に大した同感もなく、かえって断えず反感を持って対し、二言目には家風を楯に取り、自分の旧式な思想を無上の権威として嫁の個性を蹂躙し圧倒することを何とも思わず、聞き苦しい干渉と邪推と、悪罵と、あてこすりとを以て嫁を苛めて悔いぬような、世にいう姑根性をかなり多く備えた婦人であるらしい。