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Japanische Klassiker mit Furigana

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せかいのいっかんとしてのにほん

世界の一環としての日本

戸坂 潤

Lesen Sie 世界の一環としての日本 (せかいのいっかんとしてのにほん) von 戸坂 潤 (とさかじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.338 Zeichen · 422 Bildschirme

Aozora Bunko

嫌というほど予備知識を持ち回りすぎた連中さえ多分この時初めて判ったのだから、そうした予備知識を信用しなかったり全く知らなかったりした連中が、事件の発生した日の内に、この事件の現実味を呑み込むことが出来なかったというような場合も、きっと少なくはなかったろうと思う。

処で不安が、社会不安や資本主義的矛盾の一反映だというような見解は、単に公式的なものに過ぎなくて、不安は実は人間存在の本来的な条件なのだとか、不安こそ文学の本質なのだという、小ざかしそうな口を利いていた連中ばかりではない。不安は社会的なものではなくて個人や自我のものだというような考え方を覚えた方が偉いと考え出していた連中も、少し気のつく人間は、この時ハット気が付いたのだ。矢張り現実というものがある、と思いかえしたインテリ・リベラーレンは少なくないようだ。

こうしてインテリ文学的「不安」はケシ飛んだ。こんな不安は実は不安でなくて却って一つの安心であり、一つのポーズに過ぎなかったことに気がついたと同時にその時夫に代ってインテリを襲ったものは現実界の現実的な不安なのである。肉体保護上の不安、政治的不自由の不安等々なのだ。