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Japanische Klassiker mit Furigana

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せかいの「りょうりおうゆく」ということから

世界の「料理王逝く」ということから

北大路 魯山人

Lesen Sie 世界の「料理王逝く」ということから (せかいの「りょうりおうゆく」ということから) von 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.861 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

万の野菜があるとするならば万種の持ち味がある。これをいちいち味わって身につけることは、なんでもないようであって容易ではない。いわんや、それをいちいち生かすことにおいてをやだ。そこへゆくと料理法で、ひとの作った味は、その数にもかぎりがあってきわめて容易だ。数からいってもまったく覚えやすい。また、同じ人間仲間の作ったものであるだけに、直接親しみやすいところがある。そのせいか、たいていの人間は人知で出来た味付け物を喜ぶ。それから先へはなかなか歩まない。

これを絵画で譬えれば、愚にもつかぬ絵を喜ぶ者が、天然の美に関心ないようなものだ。薄の絵を見て、それが芸術上愚にもつかぬ絵であっても喜んでいて、本当の薄を見るとき軽視するがごときだ。美しさにおいてはいうまでもなく、本物の薄がもともと美しいのであるが、その薄の美しさは分らないで、下手でも絵の薄を喜ぶ。

味を知ることにおいても、たいていはこの程度のものが多い。要するに日本料理の名手たらんとする者は、天然固有の「味」を天分の舌に認識して、それをいかに生かすかに苦心する者であらねばならん。日本料理は西洋料理の鍋の中でゴッタ返す手腕が物をいうのではない。