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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちゅうよう

中庸

坂口 安吾

Lesen Sie 中庸 (ちゅうよう) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.104 Zeichen · 33 Bildschirme

Aozora Bunko

余が報に接して学校に赴くと、今回は戒厳令下の如きものは一切見当らない。子供たちは何事も知らぬげに校庭に遊んでおり、羽生がひとり教室の中で床板をはぐ作業に没入していた。

「御精がでるね」

と余は笑いながら彼に近づいた。

「学校の修繕かね」

「なーに。これは私のものだから、傷まないうちに取返すんですよ」

「君がそんなことをする人かね」

「へ。自分のものを取返すのが変ですか」

「君は手弁当で村のために献身する人ではないか。別して、学校再建のためには人知れず孤軍奮闘している人だ。学校再建のためにすでに相当の私財をそそいでいる筈ではなかったかね。この床板に限って取返すとはわけが分らないじゃないか」

「手弁当でやりましたとも。しかし、人間はいつまでも同じことやると限ったものじゃないですよ。子供をなだめるような言い方は、失敬千万ですぜ。それとも、今まで手弁当でやったから、私の財産はみんな学校へやっちまえと仰有るのですか。きいた風な口をきく代りに、あなたがやって下さいよ。私はもうこりごりですよ。そこは邪魔だから、向うへ行ってもらいましょう」

余はやむを得ずそこを去った。ふと宿直室をのぞいてみると、マリ子もその母も外出中らしく姿が見られなかったが、カリエスの病人が粗末な寝台にふとんをしいて寝ているのが見える。