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Japanische Klassiker mit Furigana

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えいがをつくるはなし

中谷宇吉郎集 第三巻

中谷 宇吉郎

Lesen Sie 中谷宇吉郎集 第三巻 (えいがをつくるはなし) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 46.667 Zeichen · 95 Bildschirme

Aozora Bunko

心づくしの湯たんぽが、脚の下からほのかな暖かみを送ってくれるが、上半身の方はだんだん冷えて来る。そしてすっかり村をはずれた頃には、もう寒気が防寒服の厚い地をとおして、肩や上膊のあたりをちくちく刺すように感ぜられて来た。こういう場合には、熱の放散という言葉よりも、寒気が針のようにつきささって来るという方が適切なのであって、本当にそれは針のように感ぜられるのである。

こういう場合には、流石に誰も口はきかない。幸い強い馬にあたったので、行程ははかどるようである。馬はもうすっかり汗ばんで、全身から上る湯気がすぐ凍って、毛先に白い霜となってついて行く。

軽い脳貧血のように、少しうつらうつらとして来た頃、待ちかねた太陽が、ぱっと十勝連峯の山際を離れた。そして見る見る周囲が茜色に染って来た。すると、すぐ眼の前の大気の中にちかちかと金剛石の粉を撒いたように、氷晶が光っているのに気がついた。

この氷晶は、北満などでは、厳冬のうち晴れた朝には時々見られるという話を聞いていたのであるが、私が北海道で見たのは今度が初めてである。すっかり眼が覚めたような気持になって、私はすぐ眼の前を静かに揺れて行くこれ等の無数の光点の流れに見入っていた。