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Japanische Klassiker mit Furigana

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「もくせい」ごうのなぞ

中谷宇吉郎集 第六巻

中谷 宇吉郎

Lesen Sie 中谷宇吉郎集 第六巻 (「もくせい」ごうのなぞ) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.784 Zeichen · 269 Bildschirme

Aozora Bunko

これは負け惜しみではなく、この頃になってますますそういう風に考えるようになった。

実は大学を出て寺田寅彦先生の助手になって、理化学研究所で働いていた頃、ある晩お宅へ遊びに行っていて、この落第の話をしたことがある。そうしたら先生が「そうか、それはよい経験をしたものだ。落第をしたことのない人間には、落第の価値は分らない」と褒められてちょっと驚いた。それから先生は「僕も落第したことがある。中学校の入学試験に落第をしたんだが、あれはいい経験だった。夏目(漱石)先生も、たしか小学校で一度落第されたはずだ。人世というものは非常に深いもので、何が本当の勉強になるかなかなか簡単には分らないものだ」という話をされた。これで大いに安心した。

落第は奨励すべきものではない。一体、皆が落第してしまったら、学校の方では、学生がいなくなって困るであろう。それにこの頃のように、経済事情がどこの家庭でも苦しくなっている場合は、落第などせずに早く卒業した方が、両親のためにはよい。だから私は決して落第をすすめはしない。しかし落第して自暴自棄になる学生には、決してそういうものではないということを、自信をもって告げ得る。