Japanische Klassiker mit Furigana
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くぼたべいさいくんのおもいで
久保田米斎君の思い出
岡本 綺堂
Lesen Sie 久保田米斎君の思い出 (くぼたべいさいくんのおもいで) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.435 Zeichen · 17 Bildschirme
新規に道具を拵えさせてみたり、見物に見えないような細かいところまで、むずかしい考証が出たりして困るのですが、米斎君ならそういう心配がなかった。芝居として都合のいいように考えて下さるから、芝居も助かり、作者も助かるのです。今後はどういう方がやって下さるか知りませんが、そう申しちゃ失礼だけれども、馴れないうちは御互に困る事が出来やしないかと思います。
芝居の舞台装置をはじめてやる方は、平生から芝居をよく見てて僕ならこうやるというわけで、蘊蓄を傾けられるのですが、芝居の方には二百何十年という長い間の伝統があって、いろいろ工夫を積んだ結果、今日のようなものになっているのですから、平凡なようでも無事な型が出来ている。変った舞台面は結構だけれどもあまりむやみに破壊してかかると、何かに差支を生じて来る。御承知の通り、舞台は正面からばかり見るのじゃありませんから、その辺も考えなければならず、殊に近頃のように何階も高い席が出来て、上から見下されることになると、それだけでも大分むずかしいわけです。
だから芝居のやりいいようにさえすればいいようなものですが、舞台装置をやる人の立場になると、またそうばかり行かぬ点があります。