Japanische Klassiker mit Furigana
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いきりょう
久生十蘭ジュラネスク 珠玉傑作集
久生 十蘭
Lesen Sie 久生十蘭ジュラネスク 珠玉傑作集 (いきりょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.698 Zeichen · 42 Bildschirme
それだって私に勿体なすぎるほどのお慈悲です」
「それにしても、牛の鈴をあなたの首に結びつけるなどというやり方は……」
ベルナアルさんは、手を挙げて、私の言葉を遮りながら、
「もう何も仰言ってくださいますな。これが私に至当な懲罰です。……むかし、私がつまらないおしゃべりをしたために、どんなにある婦人を苦しめたか、それをあなたが知っていらしたら!……一生おしゃべりの悪魔につき纏われて苦しむのが私の宿命なのです」
それからまた二日ほどたったある日の午後、私は上品な面貌をした老婦人の訪問を受けた。
むかしはどんなにか美しかったであろう奥床しい眼差の中にも、かたちのいい唇の上にもその俤がほのぼのと残っている。
この老婦人は、不幸な出来事のためにベルナアルさんと別れなければならなくなったその日まで三十年もの間渝なくベルナアルさんを愛し、ベルナアルさんのことばかり心配していた気の毒な婦人だった。
「不躾ではありませんか? ……あまりだしぬけで、あなたさまをびっくりおさせしたようなことはありませんかしら? お気を悪くなさいませんか? 妙な女だとお思いにはなりませんか? ……もし、そうだったとしても、どうぞ、あまり悪くおとりにならないでくださいましね。