Japanische Klassiker mit Furigana
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くたにやき
九谷焼
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 九谷焼 (くたにやき) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.535 Zeichen · 13 Bildschirme
九州の話だが、柿右衛門という人などは、熟柿が枝に下っているのを見て、その色を出そうとして、生涯を費して出来ず、その子がこれをついで半ば完成し、三代目に至って漸く出来上ったという話がある位である。今の骨董家が、初代の柿右衛門などといって愛蔵しているが、よく考えて見ると、三代目柿右衛門が認められるまで、貧しい陶器工の家だったはずだが、祖父の試験的出来上り品を、今残っているほど多く、三代の間蔵ってあったかどうか随分変な話である。売ってしまったとすると、貧しい無名の陶工のつまらぬ器物が、五十年間も破損せずに使用されていて、三代目柿右衛門の出て後、これは初代だといって急に珍重されることになる。
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初めて事をなす人の苦心が、九谷焼の場合にもよくあらわれている。九谷という村は、加賀の山中という温泉から、六、七里ばかりも渓流に沿って上った所にある山間の僻地で、今でもよほどの物好でないと行けぬ位の山奥である。今は一村五十戸位の小さい村で、炭焼を生活として、九谷焼とは何の関係もなく、訪れる人とても、毎夏数人の登山者が過ぎる位の程度であろう。徳川初期の時代に、こんな処へ来て初めて、求める粘土を見出した人の隠れた努力には、しみじみ感ぜさせられる。