Japanische Klassiker mit Furigana
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ちちをさす
乳を刺す
邦枝 完二
Lesen Sie 乳を刺す (ちちをさす) von 邦枝 完二 (くにえだかんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.474 Zeichen · 35 Bildschirme
二日だけ、宿退りを頂いたってわけだと聞きやした。何しろ帰ったその晩の出来事でげすから、両親を初め見世の者ア気が転倒してえたんでござんしょう。飛び込んでったあっしをつかまえて、まるっきりまとまりのつかねえことを申しやす――この界隈じゃア、小町娘と評判だったお由利さんのこと。一つ親分に、出向いてお貰い申そうと、横ッ飛びに帰ってめえりやした」
「そうか。よく聴き込んだ。将軍様は、ゆうべの中に御帰還だが、それに関わりのあることだけに、今日明日の中に埒を開けなくちゃ、お奉行の遠山様のお顔に係わるというもんだ。直ぐに行こう」
立ち上がった留五郎は、黙々と聴いていた伝七を見た。
「黒門町。いま聞きなすった通りだ。迷惑だろうが、一緒に来ちゃ貰えめえか」
「うむ。お前さんさえよけれア、いかにもお供をしよう。仏様を抱えているお前だ。手伝いが出来りゃ、おいらも本望よ」
「有難てえ。長引いたら、今度ばかりゃ、ほうぼうから集まって来るに違えねえから、愚図愚図しちゃいられねえ仕事、兄貴が来ておくんなさりゃ、千人力だ」
留五郎が急に勇み立って、伝七共々出て行こうとするのを、呼び止めたのは竹造だった。