Japanische Klassiker mit Furigana
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かんぱい
乾杯
豊島 与志雄
Lesen Sie 乾杯 (かんぱい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.788 Zeichen · 18 Bildschirme
「近くにおりましたのを、御存じなかったのでしょうか。」
言われてから、彼もそれを思い出しました。
宴席の間を、塚本老人がしきりに斡旋してまわっていたことは、山川正太郎にとっては、眼に余るというよりもむしろ不愉快でありました。
この老人、塚本堅造は、若い頃から、山川正吉の傍についてまわっていました。けれど、その智恵袋ともなれず、相談役ともなれず、まあ鞄持ち程度に終ってしまい、老後には、僅かな建物の差配役というところに納ってしまいました。だから却って、正吉の歿後五十日のこの宴席を取り持つのは、当り前だと言えないこともありませんでした。
けれど、この塚本老人が、山川家のことといえば、余りに何事でも知りすぎているのが、山川正太郎にとっては不快でした。親戚の繋りあいを詳しく知っていたり、資産状態を詳しく知っていたりすることは、便利ではありましたが、その知識のあまり、勝手な計画や策略をめぐらしている様子が、やがて見えてきました。
父の放漫な暮し方のため、資産状態が可なり危ないことになっているのを、山川正太郎はうすうす知っていました。そしてそのことは、父の死後、塚本老人によって具体的に明示されました。