Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ふたつのにわ
二つの庭
宮本 百合子
Lesen Sie 二つの庭 (ふたつのにわ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.492 Zeichen · 389 Bildschirme
ある婦人の良人である男と妻である自分の間に、感情の逸脱があっても、それは自分が自分である限り高貴な悩みなのだと思っているとすれば、思いあがりでなくて何だろう。
理づめに糺弾に傾いて行った伸子のこころもちは、やがて、一つの矛盾の裂けめを覗きこんだ。それは、男女の間の純潔ということが、多計代のこころの中では、肉体の交渉の有無にばかり重点を置かれている、ということであった。だから、あんなに純潔好きの多計代に、おどろくような矛盾として、越智との感情交渉がなりたった。その感情に肉体的な表現がもとめられて、はじめて、多計代には、純潔感がめざめ、女の警戒が覚醒している。伸子の、庭を眺めて眩しそうに細めているまぶたの上に悲しみとおどろきの色がさした。きのう多計代が結婚という言葉をいったとき、その言葉から射すひとすじの光もなかったわけがわかった。多計代の人生にとって、肉体的な意味での男女の性的交渉は、必ず結婚という手続を通ったものでなくては認められず、そのもの堅さは、逆に、若かった多計代が恋愛の道をとおらずに経験した結婚の門出が、若い娘にとってどんなに溢れる情感から溶け入ったおのずからのものでなかったかを語っているのではなかろうか。