Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたつのにわ
二つの庭
宮本 百合子
Lesen Sie 二つの庭 (ふたつのにわ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.492 Zeichen · 389 Bildschirme
そして、女の自己肯定にこりかたまったように見える。
伸子は一種の恐慌の感じでこの新しい事実をうけとった。多計代のうちに燃えゆれていた最後のみずみずしさ、柔軟さは徒労のうちに燃えつきた。そこには灰色にかたまったおきがのこされた。もう二度とそれに火はつかないだろう。そして多計代が人生のいろいろな面、とくに男女のいきさつについてもっている偏見は、矛盾したまま冷えかたまって、多計代の生活にあるあらゆる自己撞着はこれからさきはひとしお威厳の加わったものとなって、佐々の家庭に君臨するであろう。伸子はそこに恐慌を感じるのであった。
二十一
二三日の予定で京都へ行った素子は、五六日ノビル、という電報をよこした。九月号の文芸雑誌は、急に相川良之介についての特集を行うことになって、伸子も感想を求められた。新聞にいちはやく、「改造八月号相川良之介氏の絶筆『西方の人』」という大きい広告が出ていた。「沙羅の花」「支那游記」などが同じ社から広告されていた。
相川良之介について感想を語るとすれば、伸子は、自分の心にあるとおり、彼への疑問、肯定のつよさをおしのけるほどつよくもちあがって来る非肯定の心持から書くしかなかった。