Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ふたつのにわ
二つの庭
宮本 百合子
Lesen Sie 二つの庭 (ふたつのにわ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.492 Zeichen · 389 Bildschirme
いきなり問題の中心に飛躍して、伸子は、
「具体的に複雑なことになっているの?」
ときいた。そして、すぐつづけて念をおした。
「わたし、自分が伺いたいのじゃないのよ、だから……返事なさらないだっていいのよ――ただわたしが無作法な方が、あなたにいくらか便利かと思って……」
「ええ、ありがとう。わかりますわ」
のり子は、膝においた両手の指で小さいハンカチーフを、かたくかたく細い棒に巻きしめた。
「――具体的ですし――この頃ではもうすっかり発展の見とおしもなくなってしまって……だもんだから」
苦しくて、というところをのり子は黙って椅子の上で身をよじった。伸子は、豊田淳の書くものを思い出した。そのこった、ふくみの多い主観的な表現と、のり子の言葉のすくない風情との間には近似性がある。その趣が趣をひきつけたところから、のり子として真剣な問題がおこって、初対面の伸子にもむき合わせることになった。のり子の、ひとり苦しんでいる、という様子が伸子に、さまざまの現実を推察させた。伸子は歎息するように、
「いつも女の負担が多いのねえ」
といった。
「なんて、そうなんでしょう!」
水の中でこらえていた顔をもちあげて、一気に苦しい息をはき出すようにのり子が応じた。