Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたつのにわ
二つの庭
宮本 百合子
Lesen Sie 二つの庭 (ふたつのにわ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.492 Zeichen · 389 Bildschirme
「ぶこちゃんは、ああいう連中に偏見をもってるから、そう思うだろうさ。だけれど、ばかにしてるじゃないか。ああやって手紙よこせば、私がそれに対して放っておける人間かどうか、おつまは百も知りぬいているくせに……聰さんのところへ電報よこすなら、当然、こっちへだってよこすべきさ」
「聰太郎さんのところへは電報が来たの?」
「そうだとさ。きのう来たそうだ。――おつまみたいな女でさえ、そういうやりかたする、だからいやさ」
永年のつき合いのおつまが、素子の実意を軽くあしらい、そんなことでもおのずから男の聰太郎と女の素子との間の取扱いに差別をつける。その点を素子は立腹しているのであった。素子には、対人関係で、傷つきやすい性格があり、
「動坂のお母さんみたいに、情熱なんて、私は真平ごめんだ。こまやかさがなくて、人間、どこにいいところがあるんだ」
毎日の生活の中にも、伸子がこれまでの暮しでは知らなかった、細かい素子の感情があるのであった。
しばらく柱によりかかっていた素子は、やがて隣の部屋へゆき、きれいな、えんじ色にすきとおったパイプにたばこをつけ、それをくゆらしながら自分の机に向った。