Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたつのにわ
二つの庭
宮本 百合子
Lesen Sie 二つの庭 (ふたつのにわ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.492 Zeichen · 389 Bildschirme
新しい蒲団一枚こしらえずに、伸子は育った家を出て、西日が座敷の奥の壁までさし込む路地の横町の家へ佃と移った。あの白衿をきちんと合わせた吉川という娘が、いろいろな意味で親の掣肘の少い生活に入りたいと思って、職業のことも考えているなら、男の失業がこんなにも多いからといって、人間として伸びようとする女に就職しない方がよいということは、残酷なことに思えた。しかし、吉川が一人就職すれば、どこかで一人失業する人のいるのは明白だし、その人は男であるにしろ女にしろ吉川よりもっと切実な生きるてだてとして職業がいる人かもしれない。――伸子には、そういう現実の複雑なくいちがいが、どこで解決されるべきものなのかもわからなかった。
竹村は、婦人の経済的な独立ということから移って、女性文化ということをいった。これまでの日本は男の社会すぎた。もっと女性の力が発揮されるべきだ、という意味で。
「――でも、私には、それだけじゃよくわからないわ。女のひとが、自分の力で金をとって、それで自分が暮したいように暮す……それっきりでおしまいじゃ、なんだか足りないものがあるわ。なんのために、そうして暮したいように暮すんだか、そこがはっきりしなくちゃ」