Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたつのにわ
二つの庭
宮本 百合子
Lesen Sie 二つの庭 (ふたつのにわ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.492 Zeichen · 389 Bildschirme
竹村のコマは一列だけとびはなれて前進し、素子の黄色陣地に迫った。
「どうだい、優勢だろう、この次は失敬して入城だよ」
「入城なもんか。あんたの陣に、そんなにぞっくりのこってるくせに。自分の陣からすっかり出きってからでなくちゃ、敵陣へは入れないんですよ」
「なあんだ! そんなことがあるんなら初めっからいっとくもんだよ、本当かな」
「あたりまえさ」
「そうですか?」
竹村は伸子にきいた。
「そうやってるわ、いつも」
「じゃあまア、これでも進軍させようか」
初めての竹村は、青いコマを盤の格子の上にいくつかのこして負けた。二度目に、竹村が、第一列のコマは、相手の陣の境界線の上まで行っていい筈だと主張した。
「そうじゃない、一本手前の線までさ」
「――これはダイアモンド・ゲームなんだろう」
「ああ」
「ダイアモンド・ゲームならそれがルールだよ」
「ダイアモンドだって、これはちがうんですよ、一本手前までしか行けないんだよ」
竹村と素子とは変に熱中して、互の手許を見はりながら競争した。
「そら、ぶこちゃん、もう一つ行けるじゃないか」
「何だ、小癪な。じゃ、こうだ、ほら、ぴょん、ぴょん、ぴょんと!」