Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたりのかるわざし
二人の軽業師
小川 未明
Lesen Sie 二人の軽業師 (ふたりのかるわざし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.720 Zeichen · 8 Bildschirme
西と東に、上手な軽業師がありました。綱から、綱に飛びうつり、高いはしごの上でもんどりを打ち、見ていて、ひやひやすることをも手落ちなく、やって見せましたから、その評判というものは、たいへんなものでありました。西の方の人は、西の都で、興行をする甲の男をほめました。東の方の人は、東の都で、興行をする乙をほめました。
「さあ、どちらがうまいだろうな。」
両方の軽業師のするのを見たものは、頭をかしげました。それほど、この二人の芸は、人間ばなれがしているといってよかったのです。最初から、こんなあぶない芸当というものはできるものでありません。それには、血の出るようなけいこを積んだからです。
いつしか、西の都で、人気を呼んでいる甲の耳に、東の都で、やはり、たいへんな人気を呼んでいる乙の評判がはいりました。
「そんなに、乙は、うまいかな。ひとつ、こっそり見物に出かけてみよう。」と、甲は、思いました。
だれにも気づかれないように、甲は、東の都へ、乙の芸当を見にやってきました。そして、ふつうの見物人にまじって、ながめていました。高い、高い、空中から、ぶらさがっている止まり木の手を放して、あちらに下がっている止まり木につかまる、あぶない芸当は、ほんとうに、見ているものをひやひやさせました。