Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたりのかるわざし
二人の軽業師
小川 未明
Lesen Sie 二人の軽業師 (ふたりのかるわざし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.720 Zeichen · 8 Bildschirme
」
乙の話をきいていた甲は、うなずいて、感心しました。
「なるほど、その呼吸です。よく、わかりました。」といって、頭を下げました。
つぎに、甲は、どうして、高い空中から、飛び降りて、一本の綱を大胆につかむかを話したのです。
「私が、口の中で、となえますのは、子守の名です。不幸なおつたという孤児であった子守の名です。私が、六つばかりのとき、河の中に落ちました。おつたは、九つだったといいます。泳ぎも知らぬのに、飛び込んで私を救おうとしました。私は、人に助けられましたが、おつたは、ついに助かりませんでした。その後、私の一家も貧乏をして、私は、興行師に売られましたが、自分の身の不幸を思うにつけて、おつたがかわいそうになります。どうせ、いつ死んでも惜しくない身と思って、おつたの名を呼びながら、私は、一本の綱に飛びつきます。不思議に、いまだ、それをつかみそこねたことはありません。死んだ、おつたの霊が守っていてくれるのでしょう……。」
これが、甲の話でありました。
「よくわかりました。精神の力です。芸が、命がけだからです。」と、乙は、感嘆しました。
その後のことであります。