Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
にじゅうさんばんち
二十三番地
宮本 百合子
Lesen Sie 二十三番地 (にじゅうさんばんち) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.579 Zeichen · 27 Bildschirme
云わせて置けない様な不安と、さてそうは云うもののどうする事も私には出来ないと思う力弱さとで気がいら立って、大きな声で叱らなければすまないと云う様な恥かしさのまじった憤りが湧き立って来た。
窓の傍に立ったりじいっと部屋の中央に立ちはだかったりして険しい眼附をして一人でプンプンして居た。
母等も初めは、いかにも五月蠅そうに、
「何て事ったろうねえ。
とか、
「ほんとにまあ困りものだ。
などと云って居たがじきもう何とも云わない様になってしまったのが、余計私には物足りなくて、
「ねえ、お母様、
なんて云うんでしょう。
あんなに男達がさわいで、家の女達はどうして居るんでしょうねえ。
だまって見て居るんでしょうか。
やかましい下等でほんとにいやになる。
と云ったりして、しきりに同意を求めなどした。
夜は、いつも私の何より尊い時間で夕食後から十一二時位までの間にその日一日の仕事の大半はされるのに、その夜は、濁声にかきみだされて、どうしてもしなければならない本を片手に持ちながら、とげとげしい、うるおいのない気持を抱えて家中を歩き廻った。
一体此処いらで、そう云う調子のさわぎをきく事はまれなので、私などは、蟻の足ほど短かい今日までの生涯の中初めてきいたさわがしさであった。