Japanische Klassiker mit Furigana
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しつらくえんさつじんじけん
二十世紀鉄仮面
小栗 虫太郎
Lesen Sie 二十世紀鉄仮面 (しつらくえんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.489 Zeichen · 77 Bildschirme
「然し、研究の完成と同時に、幹枝以外に二つの屍体を、手に入れることが出来ました。二人とも療養所の入院患者で、一人は黒松重五郎という五十男で稀しい松果状結節癩。もう一人は、これがアディソン病という奇病で、副腎の変化から皮膚が鮮かな青銅色になるものでしたが、この方は東海林徹三という若い男でした。ですから、現在では三つの屍体が、完全な死蝋に作られていて、それに、院長が繧繝彩色と呼んでいる、奇怪な粉飾が施されているのです。幹枝は膨んだ腹をそのままに作り、他の二人には冥界の獄卒が着る衣裳を纏わせて、いわゆる六道図絵の多面像を作り上げたのでした」
とそういってから、杏丸の眼にチカッと嗤うような光が現われた。
「所が、法規上屍体保存の許可と取引代価を、遺族の者に交渉することになりますと、偶然三人の代表が島へ渡って来ました。それが、一昨々日、つまり十一日の事だったのです」
「すると、まだ滞在しているのですね」
「そうです。ですから、この事件は簡単に
3-2=1とはいえないのですよ。勿論交渉も易々とは運びませんでした。大体が、屍体の閲覧を拒絶した、院長の措置から発したのでしょうが、黒松の弟も東海林の父親も、代価に不服をいい出しましたし、殊に、幹枝の姉で鹿子といって、前身がU図書館員だという救世軍の女士官は、この手記を見ると、途方