Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Lesen Sie 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 113.429 Zeichen · 227 Bildschirme
「おはよう!」
と、風のように行きすぎた。どうしたってそれは女先生にちがいなかった。歩いてくるとばっかり思っていた女先生は自転車をとばしてきたのだ。自転車にのった女先生ははじめてである。洋服をきた女先生もはじめて見る。はじめての日に、おはよう! とあいさつをした先生もはじめてだ。みんな、しばらくはぽかんとしてそのうしろ姿を見おくっていた。全然これは生徒の敗けである。どうもこれは、いつもの新任先生とはだいぶようすがちがう。少々のいたずらでは、泣きそうもないと思った。
「ごついな」
「おなごのくせに、自転車にのったりして」
「なまいきじゃな、ちっと」
男の子たちがこんなふうに批評している一方では、女の子はまた女の子らしく、少しちがった見方で、話がはずみだしている。
「ほら、モダンガールいうの、あれかもしれんな」
「でも、モダンガールいうのは、男のように髪をここのとこで、さんぱつしとることじゃろ」
そういって耳のうしろで二本の指を鋏にしてみせてから、
「あの先生は、ちゃんと髪ゆうとったもん」
「それでも、洋服きとるもん」
「ひょっとしたら、自転車屋の子かもしれんな。あんなきれいな自転車にのるのは。