Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にじゅうしのひとみ

二十四の瞳

壺井 栄

Lesen Sie 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 113.429 Zeichen · 227 Bildschirme

Aozora Bunko

「ほんま、ばあやんがおってそういうたもん」

あまりのかんたんさに小ツルの母親はうたがいをもち、ききにいった。出しゃばりの小ツルがそんなふうにもっていったのではないかと思ったのである。

「うちの小ツが、しゃしゃり出たこといいにきたんじゃないかえ」

さぐるようにいうと、漁師なみに陽やけしたコトエの母は、まっ白くみえる歯を見せて笑い、

「一生に一ぺんのことじゃ、やってやりましょいな、こんなときこそ。いつも下子の子守りばっかりさして、苦労さしとるもん」

「そりゃ、うちの小ツも同じこっちゃ。しかし、なに着せてやるんぞな?」

「うちじゃあ、思いきって、セーラー買うてやろうと思う」

「はした金じゃ、買えまいがの」

「ま、そんなこといわんと、買うてやんなされ、下子も着るがいの」

「ふーん」

「早苗さんも、そうすることにしたぞな。小ツやんにもひとつ、ふんぱつしてあげるんじゃな」

「そうかいの。早苗さんも、のう。そうなると、小ツもじっとしておれんはずじゃ。やれやれ。そんならひとつ、貧乏質におこうか」

こんないきさつがあったのだ。ところが、当日になると、早苗は、風邪ぎみでゆけないといった。