Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Lesen Sie 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 113.429 Zeichen · 227 Bildschirme
八 七重八重
新らしい学生帽と二つならんで、バスのうしろの窓から手をふっていた二人を、見えなくなるまでおくると、ゆっくりと海べにおりてみた。静かな内海をへだてて、細長い岬の村はいつものとおり横たわっている。そこに人の子は育ち、羽ばたいている。
――ながながお世話になりました。そんならごきげんよろしゅ……
岬にむかってつぶやいてみた。それはおかしさとかなしさと、あたたかさが同時にこみあげてくるような、そしてもっと含蓄のあることばであった。
八 七重八重
春とはいえ、寒さはまだ朝の空気の中に、鎌いたちのようなするどさでひそんでいて、日かげにいると足もとからふるえあがってくる。
K町のバスの停留所には、この早いのにもう用たしをすましてきた客が二人、下りバスをまっていた。六十を二つ三つすぎたらしく見えるおじいさんと、三十前後の女客と。
「ううっ、さぶい!」
思わず出たうめき声のようにつぶやくおじいさんに、
「ほんとに」
と、女客は話しかけられもしないのに同意した。寒さは人間の心を寄りあわせるらしく、どちらからとなく親しさをみせあった。
「ほんとに、いつまでも寒いことですな」
「そうです。