Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうしんぞう
二重心臓
夢野 久作
Lesen Sie 二重心臓 (にじゅうしんぞう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.188 Zeichen · 129 Bildschirme
「ずいぶん鈍感ねえ。お二人とも……」
「そう云うなよ。呉羽さんの腕が凄いんだよ」
「それからドウなすって……」
「ところがサテ……帰って来てみると俳優たちは一人残らず口止めをされていると見えて、芝居の筋なんか一口も洩らさない。それから考えて楽屋裏の大道具を覗いてみると、まだハッキリはわからないが、ドウモ僕の註文した場面とは違うような道具が出て来るらしいので、イヨイヨ心配になって来た。だから藪蛇かも知れないとは思ったがツイ今しがたの事だ。此席へ来る前に警視庁の保安課へ寄って、興行係の片山っていう心安い警部に会って、済まないがモウ一度あの上演本を見せてもらえまいかって頼むとドウダイ。イキナリ僕の手をシッカリと握って離さないじゃないか……あの筋書はどこから手に入れた……って眼の色を変えて聞くんだ。俺あギョッとしちゃったよ。まったく……」
「……そうでしょうねえ……ホホ……」
「片山警部の話はこうなんだ……あの二通の上演脚本は八月の十五日に願人の桜間っていう弁護士から受取って、九月の三日に許可したものだが、その九月六日……昨日の朝の事だ、新聞の広告を見た大森署の司法主任の綿貫警部補っていうのがヒョッコリと警視庁へ遣って来て、あの『二重心臓』