Japanische Klassiker mit Furigana
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にせんどうか
二銭銅貨
黒島 伝治
Lesen Sie 二銭銅貨 (にせんどうか) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.014 Zeichen · 6 Bildschirme
川添いの小さい部落の子供達は、堂の前に集った。それぞれ新しい独楽に新しい緒を巻いて廻して、二ツをこちあてあって勝負をした。それを子供達はコッツリコと云った。緒を巻いて力を入れて放って引くと、独楽は澄んで廻りだす。二人が同時に廻して、代り代りに自分の独楽を相手の独楽にこちあてる。一方の独楽が、みそをすって消えてしまうまでつゞける。先に消えた方が負けである。
「こんな黒い古い独楽を持っとる者はウラ(自分の意)だけじゃがの。独楽も新しいのを買うておくれ。」藤二は母にねだった。
「独楽は一ツ有るのに買わいでもえいがな。」と母は云った。
「ほいたって、こんな黒いんやかい……皆なサラを持っとるのに!」
以前に、自分が使っていた独楽がいいという自信がある健吉は、
「阿呆云え、その独楽の方がえいんじゃがイ!」と、なぜだか弟に金を出して独楽を買ってやるのが惜しいような気がして云った。
「ううむ。」
兄の云うことは何事でも信用する藤二だった。
「その方がえいんじゃ、勝負をしてみい。それに勝つ独楽は誰れっちゃ持っとりゃせんのじゃ。」
そこで独楽の方は古いので納得した。しかし、母と二人で緒を買いに行くと、藤二は、店頭の木箱の中に入っている赤や青で彩った新しい独楽を欲しそうにいじくった。