Japanische Klassiker mit Furigana
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にせんどうか
二銭銅貨
江戸川 乱歩
Lesen Sie 二銭銅貨 (にせんどうか) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.143 Zeichen · 34 Bildschirme
「君、この、僕の机の上に二銭銅貨をのせて置いたのは君だろう。あれは、どこから持って来たのだ」
「アア、俺だよ。さっき煙草を買ったおつりさ」
「どこの煙草屋だ」
「飯屋の隣の、あの婆さんのいる不景気なうちさ」
「フーム、そうか」
と、どういう訳か、松村はひどく考え込んだのである。そして、尚も執拗にその二銭銅貨について尋ねるのであった。
「君、その時、君が煙草を買った時だ、誰か外にお客はいなかったかい」
「確か、いなかった様だ。そうだ。いる筈がない。その時あの婆さんは居眠りをしていたんだ」
この答を聞いて、松村は何か安心した様子であった。
「だが、あの煙草屋には、あの婆さんの外に、どんな連中がいるんだろう。君は知らないかい」
「俺は、あの婆さんとは仲よしなんだ。あの不景気な仏頂面が、俺のアブノーマルな嗜好に適したという訳でね。だから、俺は相当あの煙草屋については詳しいんだ。あそこには婆さんの外に、婆さんよりはもっと不景気な爺さんがいる切りだ。併し君はそんなことを聞いてどうしようというのだ。どうかしたんじゃないかい」
「マアいい。一寸訳があるんだ。ところで君が詳しいというのなら、も少しあの煙草屋のことを話さないか」