Japanische Klassiker mit Furigana
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ごえもんとしんざ
五右衛門と新左
国枝 史郎
Lesen Sie 五右衛門と新左 (ごえもんとしんざ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.405 Zeichen · 21 Bildschirme
頓智のコツとそっくりだ。……頓智とは弱点を突くことさ。用心堅固の奴に限って沢山弱点を持っている。その弱点をギシと握り、チョイチョイ周囲をつっ突くのさ。……まともに突くと皮肉になる。皮肉になると叱られる。そこで軽くつっ突くのさ。……そうだ或る時こんなことがあった。『余の顔は猿に似ているそうだ。どうだ、ほんとかな、似ているかな?』こんなことを殿下が仰せられた。列座の面々一言も無い。こいつァ何うにも答えられない筈さ。事実猿には似ているのだが、相手が殿下だ、そうは云えない。で、いつ迄も無言の行よ。そこで俺が云ったものさ。『いえいえ然うではございません。つまり猿の顔なるものが、殿下に似ているのでございます』とな。すると大将大喜びだ。早速拝領と来たものさ。アッハハハこの呼吸だよ」
「いや面白い、そうなくてはならない」五右衛門は感心したらしい。
釜の湯がシンシンと音を立てた。
早咲の桜がサラサラと散った。
どこかで鶯の声がした。
将に閑室余暇ありであった。
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「お前は飛行出来るかな?」
或る時秀吉が五右衛門に訊いた。
「自由自在でございます」
これが五右衛門の返辞であった。