Japanische Klassiker mit Furigana
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ごかいのまど
五階の窓
平林 初之輔
Lesen Sie 五階の窓 (ごかいのまど) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.840 Zeichen · 30 Bildschirme
もっとも、日本にだって灯台下暗しとか足下から鳥がたつとかいううまい言葉が昔からあるんですが、わたしはいまそのことを思い出したんです。凶器はきっとあのビルディングの中にあるに相違ないと思ったのです。これからちょっとつき合ってくださいませんか? 警察のかたと一緒だとなにかに便利ですから」
「そういうわけなら、願ってもお供がしたいですな」
二人がSビルディングの入口を入っていくと、ちょうどその時、茶の中折を冠って鼠色の外套を着用し、着色眼鏡をかけた四十恰好の一人の紳士が、二人と行き違いに出ていった。長谷川はなんだか見覚えのある顔だと思ったが、よく思い出せなかった。
「妙な恰好をしていますね。神経痛でも病むのか、なんだか腰の辺を押さえるような恰好をしていたようじゃありませんか」
「そういえば、ぼくはあの男にはどこか見覚えがあるんですがねえ。どうもよく思い出せないんです」
二人はこんな会話を交わしながら、エレベーターで五階へ上がっていった。
長谷川が先に立ってビルディングの事務所へ入った。
「このビルディングには空室がありますか?」
「ただいま三つばかりございます」