Japanische Klassiker mit Furigana
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ごかいのまど
五階の窓
森下 雨村
Lesen Sie 五階の窓 (ごかいのまど) von 森下 雨村 (もりしたうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.990 Zeichen · 26 Bildschirme
12
「しかし、それにしては死体の位置が変だったと思うが――」
「いや、死体の位置は五階の窓から見えたんですから、あえて不思議はないわけです」
「ええっ? 見えたんですって?」
「見えましたとも。エレベーターのボーイや事務所の連中がみな窓口から見ていましたよ」
「う――。そうなると、ぼくの考えは根底から覆されることになる……」
冬木刑事がぐっと頭を傾けながら、顔を顰めて呻くように言った。
12
冬木刑事と探偵小説家の長谷川がSビルディングの一室で話しているとき、冬木刑事の同僚で先輩である沖田刑事はまるで元気のない歩調で、半蔵門から三宅坂のほうへ向いて寒い風に吹かれながら濠端をとぼとぼと歩いていた。
彼は最近、自分の仕事に対してなんの興味も感じないのみか、ときどきは職業変えをしたいとさえ思うこともあった。ことに今日という今日は、つくづく刑事という仕事が嫌になっていた。まだ年齢を取ったなどとは自分では思っていないが、それでも冬木刑事よりは七つ八つ上で、そろそろ五十に手が届こうとしているのだから、若い者が幅を利かす刑事社会では、もう老朽といわれても仕方のない年配である。