Japanische Klassiker mit Furigana
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こうゆうだんぺん
交遊断片
豊島 与志雄
Lesen Sie 交遊断片 (こうゆうだんぺん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.801 Zeichen · 10 Bildschirme
或る晩、やはりそうした彷徨の後、私達はすっかり酔っ払って、夜遅く街路を辿っていた。すると、彼はふいにその電車通りから、薄暗い横丁へ切れこんでいった。暫く行くと、とある家の前に立止って、その表戸をどんどん叩き初める。
「僕の友人がいるから一寸寄るんだ。」
然しいくら叩いても、家の人は起きてこない。
「馬鹿によく眠ってやがる。」
彼はあきらめて歩き出す。そして四五軒先に行くと、また立止ってそこの家の戸を叩き初める。やはり友人がいるのだそうである。
そういう風にして、彼は四五軒おきによその家の表戸を叩いていく。もう二時頃で、町中はしいんと寝静まっている。どこも起きてくる家はない。やがて、或る板塀の中に明々と光の見えてる家に出逢う。
「一寸待っててくれ。」
私にそう云いすてて、彼は板塀を易々と乗り越してはいっていく。五分……十分……ふいに彼は私の前に、板塀の上から飛び出して来る。
「うまいお茶を飲んできたよ。……だが、あいつ、変な顔をしてじろじろ見るから、飛び出してきてやった。」
ははんと私は思うのである。そして二人でからからと笑い出したのであった。
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