Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうのしき
京の四季
和辻 哲郎
Lesen Sie 京の四季 (きょうのしき) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.914 Zeichen · 16 Bildschirme
早くのびた樹の姿は、いかにも粗製の感じで、かっちりとした印象を与えない。また実際に早く衰える場合も多い。それに対して、同じ大きさになるのに二倍三倍の年数をかけた樹は、枝ぶりに念の入った感じがあるばかりでなく、かえって耐久的なのである。そういう樹々が無数に集まって景観を形成するとすれば、景観全体がすっかり違った感じになるのは当然であろう。
私は東山の麓に住んでいた関係もあって京都の樹木の美しさを満喫することができた。
新緑のころの京都は、実際あわただしい気分にさせられる。疎水端の柳が芽をふいたと思うと、やがて次から次へといろいろな樹が芽をふき始める。それが少しずつずれていて、また少しずつ色調を異にしている。樹の名は一々は知らないが、しかしとにかく種類が多い。楓が芽をふき始めるのは四月の中ごろであったと思うが、若王子の池畔にある数十本の楓だけでも、芽の出る時期は三、四段に分かれており、新芽の色もはっきり四、五種類に見分けることができた。若王子神社の伊藤快彦氏の話では、ここには十何種類かの楓が集めてあるということであった。その楓の新芽が、日々に少しずつ色を変えて葉をのばして行き、やがてほぼ同じ色調の薄緑の葉を展開し終わるのは、大体四月の末五月の初めであったが、その時の美しさはちょっと言い現わし難い。