Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ひとをころすいぬ
人を殺す犬
小林 多喜二
Lesen Sie 人を殺す犬 (ひとをころすいぬ) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.386 Zeichen · 5 Bildschirme
「ばかなことをしたもんだ」
誰だろう? すぐつかまる。そしたらまた犬が喜ぶ!
眼下の線路を玩具のような客車が上りになっているこっちへ上ってくるのが見えた。疲れきったようなバシュバシュという音がきこえる。時々寒い朝の呼吸のような白い煙を円くはきながら。
*
その暮れ方、土工夫らはいつものように、棒頭に守られながら現場から帰ってきた。背から受ける夕日に、鶴尖やスコップをかついでいる姿が前の方に長く影をひいた。ちょうど飯場へつく山を一つ廻りかけた時、後から馬の蹄の音が聞えた。捕かまった、皆そう思い立ち止まって、振り返ってみた。源吉だった。
源吉はズブ濡れの身体をすっかりロープで縛られていた。そしてその綱の端が棒頭の乗っている馬につながれていた。馬が少し早くなると(早くするのだ)逃亡者はでんぐり返って、そのまま石ころだらけの山途を引きずられた。半纒が破れて、額や頬から血が出ていた。その血が土にまみれて、どす黒くなっている。
皆は何んにも言わないで、また歩きだした。
(体を悪くしていた源吉は死ぬ前にどうしても、青森に残してきた母親に一度会いたいとよくそう言っていた。