Japanische Klassiker mit Furigana
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じんぶつはにわのめ
人物埴輪の眼
和辻 哲郎
Lesen Sie 人物埴輪の眼 (じんぶつはにわのめ) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.170 Zeichen · 7 Bildschirme
わけには行かない。埴輪人形の一番の特色は眼である。あの眼が、あの稚拙な人物像を、異様に活かせているのである。
と言ってもあの眼は、無雑作に埴土をくりぬいて穴をあけただけのものである。通例はその穴が椎の実形の、横に長い楕円形になっていて、幾分眼の形を写そうとした努力のあることを思わせるが、しかしそれ以外には眼を写実的に現わそうとした点は少しもない。時にはその穴がまん丸であることさえもある。しかしそういう無雑作な穴が二つ並んであいていることによって、埴輪の上部に作られた顔面に生き生きとした表情が現われてくることを、古墳時代の人々はよく心得ていたようにみえる。二つの穴は、魂の窓としての眼の役目を十分に果たしているのである。
古墳時代の人々がどうしてそれに気づいたかを考えてみるためには、埴輪人形を近くからでなく、三間、五間、あるいはそれ以上に、時には二、三十間の距離を置いて、ながめてみる必要があると思う。それによって埴輪人形の眼は実に異様な生気を現わしてくるのである。もしこの眼が写実的に形作られていたならば、少し遠のけばはっきりとは見えなくなるであろう。