Japanische Klassiker mit Furigana
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じんぞうにんげんエフし
人造人間エフ氏
海野 十三
Lesen Sie 人造人間エフ氏 (じんぞうにんげんエフし) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 53.879 Zeichen · 109 Bildschirme
「こらっ、どうしてもかえりましぇんか。日本人剛情でしゅ、私、腕をふりあげます」
「あれぇ、兄ちゃん」
マリ子は兄の正太をひきもどそうとする。正太は中学三年生、なかなかしっかりしている。その時だった。
その仁王さまのような受付の腹の中で、なにかギリギリギリと変な音がした。とたんに受付のふりあげた腕が、そのままうごかなくなった。腕ばかりではない、身体全体がこわばってしまって、まるで木でつくった本当の仁王さまのようになった。
「あれっ、どうかしたよ、この受付は」
と、正太は怪訝な顔をしているとき、奥から人波をかきわけながらぜいぜい息を切らせてかけつけた一人の禿げ頭の老人があった。
「ドンや。いけましぇん。ああ正太しゃん、マリ子しゃん、待っておりました。さあさあ、こちらへおはいり、ください。この受付に、いいつけるのを、私、わすれていました」
「ああ、あなたはイワノフ博士ですね」
「そうです、イワノフです。ようこそ、正太しゃんもマリ子しゃんも来てくださーいました。こっちへおいでくださーい」
兄妹は、それみたことかと、受付ドンの方をふりかえったが、そのときドンはいつの間にか入口の人波のなかに立って、知らぬ顔をして整理に一生けんめいのように見えた。