Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にんげんしっかく

人間失格

太宰 治

Lesen Sie 人間失格 (にんげんしっかく) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.014 Zeichen · 141 Bildschirme

Aozora Bunko

のところにひそかに送られて来ている様子でしたが、(しかも、それは故郷の兄たちが、父にかくして送ってくれているという形式になっていたようでした)それっきり、あとは故郷とのつながりを全然、断ち切られてしまい、そうして、ヒラメはいつも不機嫌、自分があいそ笑いをしても、笑わず、人間というものはこんなにも簡単に、それこそ手のひらをかえすが如くに変化できるものかと、あさましく、いや、むしろ滑稽に思われるくらいの、ひどい変り様で、

「出ちゃいけませんよ。とにかく、出ないで下さいよ」

そればかり自分に言っているのでした。

ヒラメは、自分に自殺のおそれありと、にらんでいるらしく、つまり、女の後を追ってまた海へ飛び込んだりする危険があると見てとっているらしく、自分の外出を固く禁じているのでした。けれども、酒も飲めないし、煙草も吸えないし、ただ、朝から晩まで二階の三畳のこたつにもぐって、古雑誌なんか読んで阿呆同然のくらしをしている自分には、自殺の気力さえ失われていました。

ヒラメの家は、大久保の医専の近くにあり、書画骨董商、青竜園、だなどと看板の文字だけは相当に気張っていても、一棟二戸の、その一戸で、店の間口も狭く、店内はホコリだらけで、いい加減なガラクタばかり並べ、(もっとも、ヒラメはその店のガラクタにたよって商売しているわけ