Japanische Klassiker mit Furigana
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にんげんさんすいずまき
人間山水図巻
吉川 英治
Lesen Sie 人間山水図巻 (にんげんさんすいずまき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.343 Zeichen · 21 Bildschirme
それを王宮といえば、後宮三千の美姫、金銀財宝の山を想像させるような、朝威を形づくったから、何遍だって滅ぶのだ。当然痩土の飢民の眼からは、常にそこは大きな物質の対照にされるだろう。従って、乱が兆すと忽ち業火と掠奪のうき目にあい、この世ばかりか、その追及は、地下百尺まで追いかけてゆくじゃあないか。――なぜならば、何たる因果か、王家の墳墓といえば、柩の中まで珠玉珍宝を詰めこんでゆくものだから、秦朝の墳墓といい、漢室の墳墓といい、王妃の墓で発掘かれていないところはない位だ』
『すると、君もいかんことになるね』
『なぜ』
『柩に財宝を入れて担ぎ歩いているじゃないか』
二人は大笑いした。手下の者は、炉のまわりに早や寝ころんでいた。
『おい、夏駿。ほかの者が寝こんだらしいから云うが、君はいったい、どういう量見で、泥棒なぞ始めたんだい。よも、本性じゃあるまいが』
『誰が泥棒なぞを好きこのんでやってる奴があるものか。だが、仕方がないじゃないか』
『生きるだけの為なら、何とか思案がありそうなものじゃないか』
『じゃあ、蕭照、おまえには思案があるかい』
蕭照は、返辞に困った。
夏駿は偽りのない様子でまたこう云った。