Japanische Klassiker mit Furigana
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にんぎょ
人魚
火野 葦平
Lesen Sie 人魚 (にんぎょ) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.457 Zeichen · 15 Bildschirme
河童としてこれまでもっていた矜恃などはあとかたもなく消えてしまい、わたしは自分の不運をかこつこころさえ生じて、切なくかなしくなりました。わたしの愚かさをわらってください。もはやもってうまれた絶対の宿命として、河童として生きる以外のどのような生きかたもできないことがわかっているのに、わたしはそのとき、なにかの奇蹟があらわれて、ふっと人魚にうまれかわることがあるのではないかというような、途方もない妄想に瞬時とらわれていたのです。そうしてわたしのからだをふりむいてみて、やはり河童であることを知ったときには、かなしみといきどおりで、みずからのからだをうちくだきたいような狂おしい思いにかられました。すると、わたしをこのような悲歎におとしいれた人魚へいきどおりのようなものがわいて、ふと憎悪の思いで、人魚をながめましたが、わたしのその思いなど、たちまちふきとんでしまいました。このようにうつくしいものをどうして憎むことなどできましょうか。わたしの心の変化などはすこしも知らない人魚は、相かわらず白いからだを光らせ、鱗をきらめかせてはおよぎ、真珠の玉につつまれながら水中にもぐったりします。