Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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がんりゅうじま

仇討二十一話

直木 三十五

Lesen Sie 仇討二十一話 (がんりゅうじま) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.854 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

袷(あわせ)一枚に刀一本、黒の風呂敷、紋も名も入ってないやつで頬冠り、跣足(はだし)のまま塀を乗越えて忍び込んだ。床下から勝手の揚板を上げて居間へ、廊下から障子へ穴をあけて窺うと行灯(あんどん)を枕元に眠入っているから、そろりそろり。畳を踏んで目を醒ましてはと、真向に振冠った刀、敷居の上から、一歩踏出すや打下す。傷は深くないが脳震盪(のうしんとう)を起すから双手を延してぶるぶると震わしたまま、頭を枕から外して、ぐったりと横へ倒れた。暫く様子を窺ってから、近寄ってみるとこと切れているらしい。違棚(ちがいだな)の上の手箱を開けて、探すと金がない。斬るのはうまく行ったが、斬ったらあの手箱からと考えていたのが外れたから、彼処(かしこ)か此処(ここ)かと探すが、こうなると気がせく。薄気味も悪い。小箪笥(こだんす)、と手をかけてぐっと引く。軽い所へ、錠がかかって居たからかたかたと音を立てたが、それと共に、

「誰だ」

という家来中川十内の声、刀を取直して壁へぴったり背をつける。

「旦那様?」

暫く声がしなかったと思うと、次の室(へや)の襖の開く音。九郎右衛門一大事と、そろそろと横に歩みつつ廊下へ出て雨戸を開こうとする時、