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Japanische Klassiker mit Furigana

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かたきうちきょうだいがさ

仇討姉妹笠

国枝 史郎

Lesen Sie 仇討姉妹笠 (かたきうちきょうだいがさ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.178 Zeichen · 159 Bildschirme

Aozora Bunko

「あれッ」とさすがに驚いて、お八重は悲鳴をあげ飛び上ったが、そのお八重の足許の地面へ、お八重の肩から飛び下りた物が、赤いちゃんちゃんこを着た小猿だったので、お八重は驚きを繰り返して叫んだ。

「まア、お前は藤八じゃアないかえ!」

さよう、それはお葉の飼猿、お八重もよく知っている藤八猿であった。

奇怪な邂逅

藤八猿が居るからには、持主のお葉がいなければならない。――とお八重はそう思った。お葉に逢って訊ねたならば、恋人主税のその後の消息を、耳にすることが出来るかもしれない。――

(このお屋敷の土塀を越して、藤八猿は来たはずだった!)

裾にまつわる藤八猿を、自由に裾にまつわらせながら、お八重は荏原屋敷の土塀を見上げた。土塀を高くぬきん出て、繁った植込の枝や葉が建物の姿を隠している。

(人声や物音がするようだが?)

(何か間違いでも起こったのかしら?)

(それとも妾の空耳かしら?)

なおもお八重は聞き澄ました。物音は間断なく聞こえてくる。

主税の消息を知っているお葉が、居るかもしれない屋敷の構内から、不穏な物音の聞こえるということは、お八重にとっては心配であった。

(妾、屋敷内へ入って行ってみようか?)