Japanische Klassiker mit Furigana
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あだうちきんしれい
仇討禁止令
菊池 寛
Lesen Sie 仇討禁止令 (あだうちきんしれい) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.238 Zeichen · 35 Bildschirme
「しかし、あの中でも、三人までは死んだが……」
「山田と吉川とが生き残っておりますのは、天が私の志を憫んでいるのだと思います」
新一郎は、自分の顔が蒼白になっているのを感じると、万之助に、正面から見られるのが嫌だった。
「そのうち、誰が下手人か、分かっているか」
「分かっておりません。お兄様は、あの連中とは御交際があったとのことでござりまするが、お兄様にはくわしいことは分かっておりませんか」
新一郎は、どきんと胸に堪えながら、
「いや、わしにも分からぬが……」
「誰が、直接手を下したかは、問題ではござりませぬ。ただ山田も吉川も、敵であることに間違いござりませぬ」
新一郎は、しばらく黙っていたが、
「太政官でも、新律綱領で敵討を公許したことについては、その後疑義を持ち、大学の教授たちの意見をきくために御下問状が発せられたが、教授たちからも、仇討は禁止すべしとの回答があったので、左院の院議に付され、近々、復讐禁止令が出ることになっている。ことに、維新の際は、私怨私欲のための殺人でなく、国家のために、止むを得ざるに出でた殺人であるから、そなたのように、一途に山田、吉川などを恨むのはいかがであろうか。