Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あだうちきんしれい

仇討禁止令

菊池 寛

Lesen Sie 仇討禁止令 (あだうちきんしれい) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.238 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

「御道理!」

「まさに、お説の通り!」

「ごもっとも千万」などと、さわがしい賛意の言葉が、藩士の口から洩れた。

恒太郎は、成田の怒声にも屈することなく、温かな平生通りの声で、

「成田殿のお言葉ではござりまするが、徳川御宗家におかせられましても、いまだかつて錦旗に対しお手向いしたことは一度もござりませぬ。まして、御本家水戸殿においては、義公様以来、夙に尊王のお志深く、烈公様にも、いろいろ王事に尽されもしたことは、世間周知のことでござります。しかるに、水戸殿とは同系同枝とも申すべき当家が、かかる大切の時に順逆の分を誤り、朝敵になりますことは、嘆かわしいことではないかと存じまする」

恒太郎の反駁は、理路整然としていたが、しかし興奮している頼母には、受け入れらるべくもなかった。

「何が順逆じゃ。そういう言い分は、薩長土などが私利を計るときに使う言葉じゃ。徳川将軍家より、四国の探題として大録を頂いている当藩が、将軍家が危急の場合に一働きしないで、何とするか。もはや問答無益じゃ。この頼母の申すことに御同意の方々は、両手を挙げて下され。よろしいか、両手をお挙げ下さるのじゃ」