Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いまどしんじゅう

今戸心中

広津 柳浪

Lesen Sie 今戸心中 (いまどしんじゅう) von 広津 柳浪 (ひろつりゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.688 Zeichen · 74 Bildschirme

Aozora Bunko

ちょいと見たところは、もう五六歳も老けていたら、花魁の古手の新造落ちという風俗である。

呆れ顔をしてじッと見ていた小万の前に、吉里は倒れるように坐ッた。

吉里は蒼い顔をして、そのくせ目を坐えて、にッこりと小万へ笑いかけた。

「小万さん。私しゃね、大変御無沙汰しッちまッて、済まない、済まない、ほんーとうに済まないんだねえ。済まないんだよ、済まないんだよ、知ッてて済まないんだからね。小万さん、先日ッからそう思ッてたんだがね、もういい、もういい、そんなことを言ッたッて、ねえ小万さん、お前さんに笑われるばかしなんだよ。笑う奴ア笑うがいい。いくらでもお笑い。さアお笑い。笑ッておくれ。誰が笑ッたッて、笑ッたッていい。笑ッたッていいよ。察しておくれのは、小万さんばかりだわね。察しておいでだろう。察しておいでだとも。本統に察しがいいんだもの。ほほほほほ。おや、名山さん。千鳥さんもおいでだね。初緑さん。初紫さん。此糸さんや、おくれなその盃を。私しゃお酒がうまくッて、うまくッて、うまくッて、本統にうまいの。早くおくれよ。早く、早く、早くさ」

吉里はにやにや笑ッていて、それで笑いきれないようで、目を坐えて、体をふらふらさせて、口から涎を垂らしそうにして、手の甲でたびたび口を拭いている。