Japanische Klassiker mit Furigana
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こんにちのぶんがくとぶんがくしょう
今日の文学と文学賞
宮本 百合子
Lesen Sie 今日の文学と文学賞 (こんにちのぶんがくとぶんがくしょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.254 Zeichen · 9 Bildschirme
この頃のどの小説をよんでも、心は何か満たされることが出来ない。これはどうなのだろう、これはどんなものなのだろうかと、真に心にふれる作品をたずねて、あれこれと次々に買う読書人の、そういう不満の心持が逆に小説のうれる一つの動機になっているということは、注目すべき点と思う。
一般人の生活について云えば、生活は物質的にも精神的にも苦難多き時代に面している。最もたくさん小説をよむ青年男女の心の内奥に立ち入ってみれば、今日の若い人々の心は決して四年前の若い人たちの心のままの色合いではない。人生は、複雑極るその切り口をいきなり若い人々の顔の面にさしつけている。旧来の戦争は文化の面を外見上からも萎縮させたが、今日ではそれが近代性において高度化して、戦争とともに一部に成金が生じる現象は、文化の分野にも見られるようになった。永年の窮迫と不遇から時局によって世間的に一躍し、温泉へ行って忙しい忙しいと小説を書きとばしているというような農民生活の在りようを、農村生活の現実とてらし合せて考えたとき、その作品が、かち得る賞というものについて、人の心は単純にあり得ないのも自然ではあるまいか。