Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はくしゃくのかんざし

伯爵の釵

泉 鏡花

Lesen Sie 伯爵の釵 (はくしゃくのかんざし) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.403 Zeichen · 39 Bildschirme

Aozora Bunko

ここに別に滝の四阿と称うるのがあって、八ツ橋を掛け、飛石を置いて、枝折戸を鎖さぬのである。

で、滝のある位置は、柳の茶屋からだと、もとの道へ小戻りする事になる。紫玉はあの、吹矢の径から公園へ入らないで、引返したので、……涼傘を投遣りに翳しながら、袖を柔かに、手首をやや硬くして、あすこで抜いた白金の鸚鵡の釵、その翼をちょっと抓んで、きらりとぶら下げているのであるが。

仔細は希有な、……

坊主が土下座して「お慈悲、お慈悲。」で、お願というのが金でも米でもない。施与には違いなけれど、変な事には「お禁厭をして遣わされい。虫歯が疚いて堪え難いでな。」と、成程左の頬がぷくりとうだばれたのを、堪難い状に掌で抱えて、首を引傾けた同じ方の一眼が白くどろんとして潰れている。その目からも、ぶよぶよした唇からも、汚い液が垂れそうな塩梅。「お慈悲じゃ。」と更に拝んで、「手足に五寸釘を打たりょうとても、かくまでの苦悩はございますまいぞ、お情じゃ、禁厭うて遣わされ。」で、禁厭とは別儀でない。――その紫玉が手にした白金の釵を、歯のうろへ挿入て欲しいのだと言う。

「太夫様お手ずから。